保育園の卒園式が近づくと、お世話になった先生方に感謝の気持ちを込めて、メッセージを書いた色紙や花束を贈る機会がありますよね。とはいえ、働きながら先生に贈る記念品を制作するのは大変です。そこで今回は、1人1,000円で気軽に制作できる、卒園式で先生へ贈る色紙の制作方法とスケジュールをご紹介します。
保育園の卒園式で先生に色紙、花束を贈るの?
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保育園の卒園式で、先生に色紙や花束を贈るかどうかは、保育園の慣習やその学年の保護者の考え方によります。
たとえば、昔からある保育園で代々、卒園生の保護者から記念品の準備方法、制作方法を受け継ぐことが習慣になっている保育園があります。一方で、新設された保育園では、卒園式で先生に記念品を贈る習慣のない保育園もあるでしょう。
また、代々共働き世帯への負担を軽減する時代の流れを受けて、代々卒園式で記念品を制作していた保育園でも、作業と費用の負担がかからないように、最近になってから先生に記念品を贈らないと決めた保育園もあるはずです。
結局のところ、保育園の卒園式で先生に色紙や花束を贈るのかどうかは、その学年の保護者の考え方によると言えます。さらに細かく言うと、保護者の中でも贈りたい方と贈らない方に分かれます。
保育園の保護者の中で話し合い、先生にメッセージ入りの色紙や花束などを贈るか、話し合ってみてください。
先生に卒園記念品を贈る際の注意点
保育園の方針によって、記念品を受け取れない、受け取れる記念品に限りがある場合があります。
特に区立や私立、町立の保育園は先生が公務員であるため、お金がかかった贈り物を受け取れない場合がほとんどです。ですが、子ども達が頑張ってメッセージを書いた手作りの色紙や、花束などなら受け取ってもらえる可能性が高いです。
先生に渡す記念品を制作する前に、そもそも記念品を受け取ってもらえるかどうか、受け取ってもらえる場合はどのような記念品なら受け取ってもらえるか確認してみてください。
保護者と記念品制作をする前に知っておきたいこと
また保護者によっていろんな考え方があるため、数人~数十人規模の保護者がベクトルを一つに合わせて、卒園記念品制作をするのは思っているよりも大変です。そこで多数の保護者で先生に贈る記念品制作をする前に知っておきたいことをご紹介します。
・あくまで有志で贈るもの
先生に贈る記念品に対する考え方などは、保護者によりさまざまです。全員参加を求めるのは難しい可能性もあります。全員参加しない場合は、記念品を贈るのを一切やめる選択肢も用意しておきましょう。
もしくは、有志だけで記念品を贈る方法もあります。しかし、卒園式に記念品を贈る園児のグループと贈らない園児のグループが卒園式の中で混在する状況は良いとは言えません。お世話になった先生方に感謝の気持ちを伝えたい場合は個別で手紙を渡すのもおすすめです。
・負担が少ない予算で抑える
卒園シーズンになると記念品制作の代金以外にも、卒園式に着る服や卒園式後の謝恩会、就学準備品にお金がかかります。このような事情を考慮し、あまり予算をかけずに制作するのがおすすめです。
筆者が卒業制作係を担当した時は、1人あたり1,000円で17名参加だったので、予算17,000円でした。17,000円の中には、3人の先生への色紙と花束代が含まれています。内訳は花束が4,000円のものを3束、残り5,000円を色紙制作代にしています。
また一つあたりの花束、色紙制作にかかる代金を抑えるなど調整すれば、1人あたり1,000円以下でも十分な記念品を渡せます。
100円均一の色紙とデコレーションシールなどを活用する方法もアリです。手の込んだものでなくても、先生への感謝の気持ちは伝わります。費用を抑える方法を考えてみてくださいね。
・担当係のママが頑張り過ぎない
保育園に我が子を預けている親はみんな仕事と子育て、家事で時間がないことがほとんどで、記念品に参加するとなっても、準備や制作を担ってくれる方は少数派の可能性があります。一方で、色紙をどんなものに仕上げるか先生方に贈る記念品係になったママだけが、頑張り過ぎないようにしましょう。
・時間に余裕を持って作る
そして記念品の制作には、思っていたよりも時間がかかります。なぜなら大人ならものの5分で書けるメッセージでも、子どもの場合文字や絵を上手く書けない場合も多いので、メッセージを書くのに時間がかかります。加えてお子さんによっては、メッセージを書きたくないと嫌がるため、保護者が我が子にメッセージを書くことを説得する時間も必要です。さらに、メッセージを回収する時間と色紙を制作する時間も必要です。
・完璧な記念品でなくても良い
完璧な制作を求めたり、最初に決めたスケジュール通りに進めようという気持ちも大切ですが、卒業制作係の保護者も楽しみながら色紙の制作をできると良いですね。
先生へのメッセージ色紙の作り方とスケジュール
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先生への色紙制作は、企画立案、メッセージと参加費の回収、制作といった工程があります。感謝の気持ちを伝えるものなので、一つひとつの作業を細かく丁寧に行う必要があります。制作には時間がかかるものです。そこで、筆者が経験したメッセージ色紙の作り方とスケジュールをご紹介します。
- 【11月】記念品を贈るか、贈る場合は担当の保護者を決める
- 【11月】記念品係のメンバーを募る
- 【12月】制作スケジュールを立てる
- 【1月~2月】制作する
- 【3月卒園式】卒園式当日に渡す
1.【11月】記念品を贈るか、贈る場合は担当の保護者を決める
年長の11月になったら、記念品を贈るか、贈る場合は記念品係を決めます。記念品の制作の工程で、メッセージや参加費の回収、制作、記念品係以外の保護者に連絡といった仕事があります。そのため、仕事をしながら1人で担当するのは大きな負担となります。少なくとも2人、4人以上いれば負担が軽減されます。
2.【11月】記念品係のメンバーを募る
お世話になった先生方に記念品係を立ち上げることに決定したら、記念品係のメンバーを募りましょう。クラスのLINEグループがあると便利です。記念品係にもそうでない保護者にも情報を共有ができ、記念品制作に対する熱意の差を縮めることができるはずです。
やりたい気持ちがある方の他、上のお子さんがいて記念品を贈ったことのある、下のお子さんが同じ園に通っている、デザイン制作に長けている、文章をまとめて保護者全員に情報を伝えるのが得意な方がいると、記念品係の運営をしやすいですよ◎
筆者が先生に贈る色紙を制作した際は、お姉ちゃんやお兄ちゃんがいる保護者2人、妹弟がいる保護者2人、デザイン制作業務に長けた保護者1人の計5人で記念品係を行いました。
上の代から内容を引き継げて、下の代にも記念品制作を受け継ぐことができ、バランスが良かったです。また、デザイン制作に長けた方が1人いるとスケジュールが円滑に進み、素敵な色紙に仕上がりました。
3.【12月】制作スケジュールを立てる
記念品係が決まったら一度集まり、制作企画とスケジュールを立てましょう。子どもの面倒を見ながらの話し合いとなると思うので、児童館や家などで子ども達が安全に楽しく過ごせるような場所を確保して集まってください。
4.【1月~2月】制作する
年が明けたら卒業まであっという間です。1月になったら色紙の制作を始めましょう。
STEP① 予算を決める
先生に贈る色紙や花束などの予算を決めましょう。卒園式の頃は、就学に向けた学用品や卒園式に着る服、謝恩会などの費用がかかります。記念品の内容にもよりますが、予算は1,000円以内に収めるのが理想です。筆者が記念品係として色紙制作と花束を注文した時の内訳は以下です。予算17,000円だったため残ったお金は、謝恩会の費用に回しています。
品目 | 単価 | 個数 | 合計金額 | 備考 |
色紙 | 110 | 3 | 330 | 100円均一の3つ折り色紙 |
デコレーションシール | 110 | 3 | 330 | 色紙に彩りを足す貼り付けたメッセージの補強 |
色紙を入れる透明袋 | 110 | 1 | 110 | |
印刷 | 1000 | 3 | 1000 | キンコーズで厚紙に印刷 |
花束 | 4000 | 3 | 12000 | |
13770 |
STEP② 色紙に記載するメッセージを依頼する
年長の中でも、絵が得意な子、字を書くのが得意な子、運動が得意な子などさまざまです。先生にメッセージを書く気分にならないお子さんもいます。思っているよりも子ども達が先生へのメッセージを書くのに時間がかかるため、1月からメッセージを記入してもらうのがおすすめです。
STEP③ メッセージを回収する
保育園の登園時間と降園時間は家庭によりさまざまのため、子どもが書いてくれた先生へのメッセージを回収するのは、かなり記念品係の保護者にとって負担です。保育園のほとんどが、下駄箱などを活用しての保護者間のやり取りは禁止しています。
回収の日時を2日間に分け、係で手分けして回収をしましょう。筆者の場合は、16時30分~18時までの1時間半程保育園の玄関に立ち、お迎えにくる保護者からメッセージを受け取っていました。病気などでどうしても回収日に受け取れない場合は、個別対応をするのがおすすめです。
STEP④ 記念品代を回収する
子ども達が書いてくれたメッセージを回収するのと合わせて記念品代も回収すると、記念品係の保護者の負担を減らせて、参加費の回収忘れも防げます。
STEP⑤ 色紙を購入する
1月の終わりから2月初旬になると、100円均一などの店舗に卒園・卒業のグッズが並びます。この頃に、色紙が種類豊富に入荷します。筆者の場合は1月の終わり頃にダイソーで、白無地の3つ折りの色紙を購入しました。
STEP⑥ 色紙の表紙と裏表紙を制作する
白無地3つ折りの色紙を購入した場合、表紙と裏表紙を制作する必要があります。絵や文字を書いたり、デザインを制作して印刷したものを貼ったり、シールでデコレーションをします。
STEP⑦ 先生へのメッセージを色紙に貼る
色紙の中に子ども達が書いたメッセージを貼ります。のりだとヨレる可能性がある場合は、細い両面テープを活用するのもおすすめです。
メッセージカードをそのまま貼る、メッセージカードをスキャンしてデータ化して印刷したものを貼るなどの方法があります。
完成した色紙は汚れたり、メッセージが紛失しないよう透明の袋などに入れて保管するのがおすすめです。
5.【3月卒園式】先生に色紙を渡す
卒園式を終えた後、お世話になった先生に色紙を渡します。卒園式終了後は、バタバタとするため、前日までに色紙を渡す役割のお子さん、花束を渡す役割のお子さんを決めておきましょう。
花束の準備方法とスケジュール
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卒園式に色紙と一緒に、又は花束を先生に渡す場合がありますよね。卒園式までに円滑に花束を準備する方法と当日の注意点を踏まえながら、花束の準備方法とスケジュールをご紹介します。
- 【2月】花束を準備する係を決める
- 【2月】花屋を決める
- 【2月】花束を注文する
- 【3月】花束と色紙を手渡しする役割分担を決める
- 【3月卒園式前日】卒園式前日に花屋へ受け取りに行く
- 【3月卒園式当日】先生に花束を渡す
【2月】花束を準備する係を決める
卒園式当日に担任の先生に花束を贈るかどうか決まったら、花束を準備する係を決めます。記念品係がいる場合は参加費の回収を合わせてできるため、花束を準備する係が一緒になる場合も多いでしょう。
【2月】花屋を決める
花屋さんを決めましょう。卒園式当日に花束を花屋に取りに行くのは難しいため、前日に受け取りに行って花係の自宅で保管することになるはずです。近所の花屋など、花束を受け取りやすいお店を選ぶのがおすすめです。花屋が決まったら、以下の項目を確認します。
・予算内でどんな花束が作れるのか
・どんなラッピングができるか
・渡す時に使う紙袋をもらえるか
・何日、何週間前までに注文すれば、花束を作ってもらえるか
・当日、保育園まで配送してもらえるか
【2月】花束を注文する
注文の締め切り日までに、花束を注文しましょう。
【3月】色紙と花束を手渡しする役割分担を決める
卒園式が近づいてきたら花束と色紙を先生に渡す子どもの役割分担をしておくと、当日スムーズに渡せます。
【3月卒園式前日】卒園式前日に花屋へ受け取りに行く
卒園式の前日に花屋へ、花束を受け取りに行きます。受け取った花束は自宅で保管しましょう。
【3月卒園式当日】先生に花束を渡す
花束は、職員室などで預かってもらいます。卒園式終了後、お世話になった先生に花束を渡します。
感謝の気持ちが伝わる手作りの記念品を贈ろう
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1人1,000円の予算であっても、保育園の卒園式でお世話になった先生に感謝の気持ちがこもった色紙や花束を贈れます。とはいえ、記念品を先生が受け取ってくれるかは保育園ごとに異なります。また、保護者の考えもさまざまなので、記念品制作をしない場合もあります。
年長の11月頃に保護者間で色紙や花束を贈るか検討し、12月に企画の立案、1月に入ったら制作に取りかかり、スケジュールに余裕を持って制作をすすめるのがおすすめです。今回ご紹介した記念品の制作方法と予算を参考に、先生方に想い出に残る素敵な贈り物をしてみてください。